シェアハウス経営戦略ラボ
~集客と運営に役立つノウハウ~
シェアハウス運営のトップラン企業が 自社ノウハウを大公開【エリア編】
シェアハウス経営の成功には、質の高い入居者を安定的に集めることが不可欠です。そのために私たちも2013年の立ち上げから試行錯誤を繰り返し、独自の理論を構築してきた経験があります。その過程で得た知見を基に、シェアハウス経営に役立つノウハウを解説いたします。
■今回解説する人


目次
其の一 集客はエリア毎に特徴がある
皆さんはどのエリアでシェアハウス事業をお考えですか?
北は北海道、南は沖縄まで、オーナーとしてシェアハウスを建てて運営・収益化を考えるなら、「どのエリアで」「どんな入居者を」「どのような物件仕様で」展開するかが極めて重要です。ここでは、エリアごとの住み手の特徴、収益性の観点、そして弊社の運営実例を交えて、「このエリアならでは」の構築ポイントを整理します。
ただし、弊社が関係する物件エリアに若干偏りがありますので、その点はご容赦いただければ幸いです。
其の二 日本横断!エリア別に徹底分析
- 北海道エリア
- 関東エリア
- 名古屋エリア
- 大阪エリア
- 京都エリア
- 北陸エリア
1.北海道エリア
札幌エリアでは、「定住より中短期滞在を狙う」戦略が有効。ホテル需要がありながら供給が追い付いていないという市場環境も背景にあります。海外からの滞在者も多く、特にウィンタースポーツシーズンなど短期・マンスリー利用が活発です。結果、稼働率が高い傾向にあります。
市場・入居者動向
札幌では観光やウィンタースポーツ需要が根強く、例えばスキー場へのアクセスを重視する滞在者や、海外からの滞在者が「ホテル代替」としてシェアハウスを選ぶケースがあります。また、季節変動が大きく、冬季や雪の多い時期には短期・マンスリー型のニーズが上がるため、1ヶ月単位、数ヶ月単位での契約を想定できる物件仕様・運営体制が効果的です。
実例:北海道エリアのシェアハウス
弊社では、札幌市内に複数の物件を展開中です。例えば、 “SHARE HOUSE 180°円山” は札幌最大級のシェアハウスで、立地のよさや全年齢OKな入居条件もさることながら、1か月からの入居も可能。多様な人と交流しながら自分らしい生活を送ることができます。
また、“BackpackersHome札幌(GRAND HOSTEL LDK 札幌)”はドミトリー形式のハウスで、すすきの駅徒歩8分・大通公園徒歩11分という中心立地を活かし「シェアハウス+ゲストハウス」のハイブリッド仕様。こちらも1か月から入居が可能、家具・家電付き、荷物預かり・レンタサイクル付きというサービスは好評を博しています。


オーナー目線での構築ポイント
- 駅近(地下鉄アクセス)を前提に:札幌市内の移動は地下鉄・路面電車が利便性高く、車保有率が低めなので「駅近」が重要。
- 短期・マンスリー対応仕様で:例えば家具・家電完備、荷物預かり、レンタサイクルなどを備えると、観光・滞在ニーズを取り込みやすい。
- 女性専用・少人数型や大型型、どちらの戦略も可能:北34条のような少人数型もあれば、円山のような大型物件もあります。実例として “SHARE HOUSE 180° 円山” は札幌最大級をうたう8階建てフルリノベーション型で、「国籍・性別・職業・年齢いろいろな人が交流できる」物件です。
- 交流設備・共用ラウンジを重視:滞在型需要であるため、キッチン・リビング・ラウンジ等、交流を促す共有空間の設計が有効。
- 冬季・シーズン変動を見越したリスク管理:雪や寒冷地仕様、設備(暖房、断熱、冬用動線)への対応も重要。
札幌エリアは、「観光/短期滞在+シェアハウス」というミックス型の物件が収益性を持ちやすいと言えます。
2.関東エリア
関東エリア(東京を含む)は、問合せ規模が非常に大きく、特に20〜30代の若年層が中心、女性入居者の比率が6割を占めるというデータもあります。ニーズの幅が広く、「観光」「定住」の双方、そして「シェアハウス」という住まい方そのものへの関心も高い市場です。稼働率が全国で最も高い傾向にあり、内覧希望数も圧倒的です。一方で、ニーズと供給のギャップもあり、物件供給が追いつかず「待ち」の状態となることもあります。
市場・入居者動向
関東では、地方からの上京者、転勤・就職・学生・ワーケーション的な入居者が集まるため、用途が多様です。20~30代の女性が多数を占めており、例えば「都心近く」「アクセス良好」「共用設備充実」「家具家電あり」などが入居判断に大きく影響します。内覧数が非常に多く、「内覧→即入居」ではなく「とりあえず住みたい」というライトなニーズも含まれており、入居までに時間を要することもあります。また、空き状況が厳しいという現象もあり、オーナー・運営側は「空室が出にくい」前提で設計運営を考える必要があります。
実例:関東エリアのシェアハウス
弊社では東京都板橋区で 全122戸の自社物件 を展開開始しており、都心へのアクセスやインフラ整備された立地を活かしています。SHARE HOUSE180°上板橋では、東武東上線「上板橋」駅/都営三田線「志村三丁目」駅利用可の立地で、個室設備が充実しており、
ワークスペース、ライブラリー、フィットネス、アウトドアスペース等が備わっています。
オーナー目線での構築ポイント
- 交通アクセス最優先:都心・ターミナル駅から30分圏内という交通利便性が入居者に好まれます。
- 個室+共用設備のグレードアップ:ワークスペース、フィットネス、ラウンジなど「住みながら働く・交流する」ライフスタイルを想定した設計が差別化になります。
- 女性比率が高いため、セキュリティ・清潔感・デザインに配慮:女性入居者6割というデータを考慮すれば、女性が安心して住める仕様にすることが重要です。
- 空室リスクを低減するため、運営体制・ブランド力・集客力を重視:問合せ数は多いものの「とりあえず住みたい」層が多いため、入居までのリードタイムを短くできる体制・ブランドが利点となります。
- ニーズの多様性に対応:観光・定住・ワーケーション・短期・長期など、用途別にプランを分けておくことで空室発生を抑えられます。
関東エリアは、量・質ともに高い需要があり、運営力・仕様設計次第で高稼働・高収益が期待できる市場です。
3.名古屋エリア
名古屋エリアでは、「実家から出たい層」および「県外からの社会人」が中心的な入居者層です。観光ニーズは比較的低めで、外国人・インバウンドの問合せも少ないものの、最近は少しずつ増加傾向にあります。設備投資コストがやや高めという指摘もありますが、社会人メイン・学生よりも定住型を狙うという点がポイントです。地下鉄沿線など密集エリアに物件が集まることも、名古屋ならではの特徴です。
市場・入居者動向
名古屋では、実家を出て一人暮らしを始めたいという若い社会人、また県外から転勤・赴任する人、そして日本語を学びたい外国人・留学生が一定数います。特に後者では、欧州(フランス)、韓国、台湾からの留学生が「伏見のMBA」などに通う目的で入居するケースがあります。学生だけをターゲットにすると母数が小さいため、社会人+留学生ミックスでの設計が有効です。設備仕様については、“名古屋ではそこまでこだわらない”という意見もあり、一般賃貸と大差ない仕様で交流を重視する運営モデルもあります。地下鉄沿線が密集しているため、シェアハウス同市内での交流(複数物件展開)も生まれやすいという利点もあります。
実例:名古屋エリアのシェアハウス
弊社は名古屋を拠点とし、東海エリア最大級のコンセプト型シェアハウスブランドとして展開しています。例えば「英会話」「低価格」「女性専用」「ペットOK」「楽器OK」など多様なコンセプトを打ち出しています。また名古屋で長く事業を営んでいるため、物件運営・集客ノウハウが蓄積されており、外国籍入居者対応も行われています。


オーナー目線での構築ポイント
- 社会人・留学生ミックスを想定:名古屋では学生だけでは母数が小さいため、社会人をターゲットとした設計が合理的です。
- 駅近・地下鉄沿線を重視:地下鉄沿線が交通利便を担保するため、物件立地として有利です。
- 交流重視仕様:設備面で過度に投資せず、「交流を生むキッチン・リビング」を中心とした構成も十分機能します。
- コンセプト型を活かす:外国語対応、留学生歓迎、ペットOK、楽器OKなど、差別化仕様を打ち出すことでニッチ需要を取れます。
- 同市内展開による相乗効果:複数物件展開し、物件間で交流イベントを回せば、コミュニティ価値を高められます。
名古屋エリアは、観光ではなく「住まいと学び・働き」をテーマに据えた運営が裏付けとして有効なエリアです。
4.大阪エリア
大阪エリアは、都心・ターミナルに近いエリアを中心に、東京の縮小版と言われるほど多様な入居ニーズが存在します。学生・地方からの移住者・短期滞在者・万博需要など、用途ごとに切り口があります。特に梅田近くや大阪市内駅近エリアの物件立地で有効性が高く、東京での展開が難しいオーナーにとってトライしやすい市場でもあります。
市場・入居者動向
大阪では、学生が多く地方からの移住者も目立ちます。また、大阪・関西万博の効果もあり、長期・短期を併せ持つ運営が有利でしょう。観光特化ではなく、地域居住・学生・社会人・短期滞在が入り混じるため、ハイブリッド型仕様が求められます。物件特化(例えば学生限定、女性専用、外国人対応など)を打ち出すことで、競争優位性を持たせることもできます。
実例:大阪エリアのシェアハウス
弊社では大阪府内でも物件を紹介しています。関西の自社ブランドとして北欧スタイル・少人数・一軒家タイプの「SHARE HOUSE 180° 近江堂」を展開しており、ブランドの周知を図っています。

オーナー目線での構築ポイント
- 駅近・ターミナルアクセス重視:梅田・難波・大阪市内主要駅からアクセスの良い立地を優先。
- 多用途仕様(学生・社会人・短期滞在)の組み合わせ:学生オンリーでも良いが、短期滞在型+マンスリー型も交えることで稼働を高めやすい。
- コンセプト特化型が有効:例えば女性専用、外国人OK、学生専用、万博対応など、差別化モデルで勝ちやすい。
- 東京展開の代替として:東京で立ち上げが難しい場合、大阪でモデル物件を構築・検証してから他展開という戦略も合理的。
- 将来のイベント需要(万博等)を見越した設計:短期滞在を前提に家具・家電完備、予約制運営、ホスピタリティ仕様を併せ持たせる。
大阪エリアは、関東に次ぐ規模と多様性を持つ市場であり、戦略的に仕掛ければ大きな収益ポテンシャルがあります。
5.京都エリア
京都エリアは、観光ニーズおよび学生・留学生ニーズの両方を有する稀有なエリアです。特に学生をターゲットにできる点で「学生特化型シェアハウス」を展開するのに最適な地域といえます。駅近でなくてもバス交通が発達しており、交通アクセスの柔軟性があるのも特徴です。中国・韓国・台湾からの留学生も多いというデータがあります。
市場・入居者動向
京都では、観光地としての魅力が高く、短期滞在・観光利用の入居も見込めます。さらに、大学・専門学校・語学学校が多く、留学生需要も強いため、学生・留学生向けのシェアハウスが成り立ちやすいです。バス網の発達により「駅から少し離れてもアクセス良し」という気軽さも設計上の余地となります。特に中国・韓国・台湾からの入居が多いため、外国語対応・交流型プログラムが有効です。
実例:京都エリアのシェアハウス
弊社では、京都市北区に関西初のブランド物件「SHARE HOUSE 180° 金閣寺」を2024年10月1日入居開始としてオープンしています。物件は「金閣寺や北野天満宮といった観光地に近く、京都駅から市バス1本」というアクセスの良さをポイントとしており、大学通学(例えば立命館大学・同志社大学)にも自転車圏内という設計がなされています。


オーナー目線での構築ポイント
- 観光×学生・留学生ミックスを意識:観光滞在・留学生長期滞在・国内通勤・学生通学など複数需要を想定。
- 駅から多少離れてもOK:バス交通網や自転車アクセス可能な立地を活用すれば、土地コストを抑えつつ十分な利便性を確保できます。
- 留学生・インバウンドを見据えた仕様:多言語対応、交流イベント、シェアラウンジ・キッチン重視、家具付き仕様などが有効です。
- 学生特化型物件設計:京都には学生・専門学校・語学学校が集中しているため、学生仕様(共有勉強スペース・自習室・図書コーナー)を設けると差別化できます。
- 観光地立地なら短期滞在型も検討:観光客向けに1週間~1ヶ月契約可能なプランを設定すれば、オフシーズンも稼働を維持しやすくなります。
京都エリアは「住まい」と「学び・旅」が交差するユニークな市場であり、戦略設計次第で大きな価値を生み出せるエリアです。
6.北陸エリア(金沢)
北陸エリア、特に金沢では流動性があまり高くないものの、入居者の長期滞在傾向が見られます。例えば、地元大学(金沢大学)の学生が入居者の4割を占めるというデータもあります。北陸圏内からの入居が中心であり、車保有者のニーズも一定数あるため、駐車場付物件という差別化が有効です。
市場・入居者動向
金沢では、学生が比較的長期間滞在し、転勤・移住というよりも地元圏・北陸圏での利用が中心です。したがって収益モデルも「マンスリー~数年契約」を想定したものが適しています。観光・短期滞在型というより、住まいとしてのシェアハウス運営が主軸になります。車を持つ見込みの入居者から「駐車場ありますか?」という問い合わせもあり、車対応可能な物件設計が競争力を上げます。
実例:北陸エリアのシェアハウス
デザイナーと連携して「人と人との出会い」「コンセプトを持った仲間が集まる」物件づくりを行っており、地域特性を反映させた設計を行っています。ただし金沢エリア単独の詳細事例は少ないため、オーナーとしては地域ニーズの掘り起こしと差別化が鍵となります。

オーナー目線での構築ポイント
- 長期滞在型仕様を前提に:短期滞在型よりも安定収益が見込めるため、契約期間を重視した運営が有効です。
- 駐車場・車利用対応を:車保有者を取り込める仕様(駐車場スペース・バイク置き場)を加えることで差別化できます。
- 学生・社会人どちらも対応:学生が中心ではありますが、北陸圏からの社会人・リモートワーカーも視野に入れ、ワークスペースなども検討すると良いです。
- 駅近でなくても成立する:流動性が低めのため、駅から少し離れた立地でも「住みやすさ」「交通手段」「駐車場付き」であれば十分に成り立ちます。
- コミュニティ重視:流動性が低い分、入居者同士の交流を促すことで定着率を高める設計が重要です。
北陸エリアは「量」ではなく「質・滞留」を重視する市場であり、長期安定型の物件を目指すならば有力な選択肢となります。
其の三 まとめ
- 以上、エリアごとに入居者特性・需要構造・物件仕様の方向性を整理し、弊社の実例を交えながらオーナー視点での構築ポイントを提示しました。共通して言えるのは以下の3点です:
- 駅近(または交通アクセス良好):都市部・地域部問わず、電車・地下鉄・バスなど公共交通中心の移動を想定すべきです。
- キッチン・リビング・共有スペースを重視した設計:一人暮らしよりも「交流」「コミュニティ」を提供できる仕様が、シェアハウスならではの価値になります。
- コンセプトに魅力を持たせて顧客を惹きつける:学生専用、女性専用、ペットOK、外国人対応、ワーケーション対応など、入居者が「この物件に住みたい」と思える特色を打ち出すことが重要です。
特に今後は京都・大阪エリアでの需要がさらに高まる見込みがありますので、これらの地域で物件設計・ブランド構築を検討されるのは非常にタイムリーと言えます。
ぜひ今後のシェアハウス展開のご参考にしてみてください。
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これからもシェアハウス運営に役立つノウハウをご紹介していきますので、ぜひご覧ください。
